前回の続き。

光を探しに森深くに入っていく。
この道も長年歩いているけど、撮り方を変えれば、また違った世界が僕の前に出てきてくれた。

静かな森をゆっくり歩いていると、苔に覆われた切り株に光と影が差し込む瞬間に出会った。
切り株の先は崖なんだけど、まるで「ここから先行くな!」と言わんばかりに境界線が引いてある。

そうそう、一人で森や山に入った時、厄介なのが怪我。
幸いにもまだ怪我はしたことないけど、人も少ない所で怪我したらと思うとゾッとする。

だから慣れている山でも、入山する時は「今日もお願いします」と儀式的に言って入り、緊張感を持たせてあげることがオススメだったりもする。
サッカーや柔道選手がグランドに入退場する時と似た様な感じかな。

それでも何かあるか分からないから、笛とか救急道具になるものは持っていってくださいね。
この先も笛吹く瞬間には、絶対出会いたくはないな。

 

モノクロに色を付けることができる機能(富士フイルム、モノクロームカラー)もあって、青を少し足してみた。

黒にも色々な黒があって、こういう表現も良いなと思う。

赤を足すと、セピアっぽい仕上がりに。

モノクロは光遊びする時、気分を変えたい時など、自分に幅を持たせてくれる。

この「幅」がとても大事で、幅が広いほど臨機応変に対応ができたり、新しいアイディアが思いつく。

そんな楽しさを噛み締めながら、山頂へと辿り着いた。

荷物にトラベラーズノートが記載してあったけど、ここでそのノートを開く。
森で色々なものをそぎ落とし、その中で自分の中に沸き上がってきたものをノートに記すことが年末の恒例となっている。

誰に見せるわけではないから、内容はかなり自由に。

ものこのノートも2015年から使ってきて、革の表紙も色々な傷が出来て味わい深いものになったなと感じる。

このノートを持ち、各国を旅してきた。

またそんな日々が来ることを願って2021年のノートを閉じた。

一日モノクロを楽しみ、最後は自分らしく撮ると、まるで白黒の下書きに色鉛筆で塗った様な世界が出てきた。

2022年も自分らしく進んでいきます。

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写真家 石井 和宏 LINE@

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