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こんにちは。写真家の石井和宏です。

この日も雨ということで桜を撮りに行ってみました。

自分の状態も空の色と同じく、グレーでニュートラルな状態です。

連日の雨のせいか、「あれ?こんなお花小さかった?」と思う程、小さなお花たち。

何でも適量って大事ですよね。
雨降りすぎです。

散っているお花と咲いたばかりのお花の差が大きく、また花びらもプールから上がった手の様にシワシワな状態も多かったです。

前回と違い、雨粒もベトーっと大きくついています。

 

 

場所を移動して「ここはどうかな?」と思ったら、もう既にラストスパート状態の桜たち。

これだけ赤いと一日半、二日ぐらいで終わりでしょうね。

だけど、一輪だけ綺麗に水滴をつけているのを見つけました。

 

あまりにも全体が綺麗だったので、桜花爛漫という形で撮りました。

中央の桜の窓からは薄っすら青空も覗かせます。

「雨予報じゃなかった?」

数分後には、素敵なブルーに。

雨の撮影で来ていたので、ある意味読みを外してしまいました。

光がある内に何かあるかもしれないと切り替えて撮影開始です。

 

ここはスポットライトみたいに光が当たっていて綺麗でしたね。

ハート型のソメイヨシノも見つけました。

そして一番見てほしい桜がこちら。

人って時に頭の思考速度がもの凄く速く回転する時があります。

顔面に飛んでくるボールがスローに見えて避けることができたり、

振り向かなくても耳だけで相手が右後ろからボールを取りに来るか左後ろから取りに来るか、足音だけで感知できたり、

意識失う時に走馬灯が見えたりと。

そういう時って頭の中のハードディスクの様なものがもの凄い速さで回転しているんだとか。

 

過去写真ですが桜ってこんな状態の写真が多かったりします。

白の世界にふわっと優しく咲く感じです。

だけど、今年は条件が違いすぎます。
「違う」ではなく「違いすぎ」です。

あの瞬間は、今までの桜の情報が頭の中でもの凄く回転した瞬間でした。

・過去の自分の写真が走馬灯に様に流れてくる

・白以外にも見えている。目の前の光景は気のせい?

・今年は天候の影響で咲いている花と終わりかけの桜の差が激しい = 黄色と赤色のシベがある = さっきの桜花爛漫の花にも良く見えてたな
・天気は急に晴れて青空がある = 光の当たっている所、当たっていない所がある = 色の差、光の差ができている
・葉の緑も少し出ている枝もある
・蕾のピンク色もある
・連日の雨で花びらの色が変色している花びらもある

・風も穏やかな今のうちに撮影

・ここをこう配置して、あーして、こうしてと

などなど。

頭の中ではパステル調で、今まで見たことない景色が広がっています。

まさかと思いカメラを向けると、

そこには今まで見たことない初めてみる桜の表情でした。

そして風が吹けば、空の青も少し減り、全体がよりパステル調になりました。

初めて見たその光景に、シャッターを押す時は残り一枚のフィルムカメラで撮る様に優しく撮りました。

撮り終えた瞬間、奥底に切り分けてしまっておいた感情をどこか乗り越えた感がありましたね。

この日はここから更に写真を楽しみました。

 

 

 

桜のトンネルをサッカー少年たちも自転車で通過していきます。

桜の側のサッカーゴールは小学生の頃を思い出しますね。

あの頃は中村俊輔選手のフリーキックやジダン選手の技を良く練習してました。

 

空も光が弱い時間帯が続いていましたが、一気にここでまた強くなりました。

影絵と落ちている花びら、花を使い、満開の木をイメージして撮りました。

逆さにすると良く見えるかもしれませんので、試しに画面を回転させるなり首を傾けて見てください。

もっとこの光で遊ぼうかなと思いましたけど、本当に空は曖昧というか、何かの合図なのか、ものの数分で光が消えるとこんな状態になってしまいます。

光がフラットになり、そろそろ帰る時間も迫ってきたので場所移動です。

その時、また光が強くなってきました。

横に目を向けると、自分の影とお花がリンクして顔みたいになっています。

面白かったのでピースもしてポーズを取ってみました。

 

そして最後。

去年の場所はどうなっているのか気になったので帰りに寄ってみました。

 

「またすごいことになっている」

この花の落とし方はスズメしかしないのですが、本当に良い仕事してくれました。

2023年の宇宙に咲く桜です。

あれだけ悩んでたのに、また今年も別の表情で撮れちゃいましたね。

一歩先に歩くとこんなのも撮れました。

雨のつもりで撮りに行きましたが、色々と予想外の出会いが多く最高な一日でした。

人って忘れたり風化させる生き物だけど、今日感じたこと、あの時の自分の状態を忘れないでおこうと思いました。

きっと今後も役に立ってくれるはずです。

 

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