こんにちは。写真家の石井和宏です。

朝から気持ちの良い桜を見てしまった僕は、そのリズムのまま花見山を目指します。

【前回の話はこちら】

花見山はどんな景色なんだろうか。

事前情報がほとんどない僕は、ワクワク6割、天候の不安4割です。

あまりにも情報を入れてしまうと、気持ちの純度が濁るというか、その情報の答え合わせをしに行くみたいになってしまい、好きではないのです。

漫画ONE PIECEの最後を先に知って、今続いている物語を読むのが楽しいですか?と一緒です。

シャッターを切るなら、その時の心揺さぶる出会いをおさめた方が楽しいですよね。

そういう撮れた時の一枚って部屋に飾って大事にしたり、時に気に入ってくれた方が飾りたいと仰っていただくこともあります。

スマホで世界を知ることは簡単になったけど、やっぱり現地を歩いて、そこに吹く風や匂い、自然の音、色々な発見や出会いをしてこそ「知る」ということだと僕は思います。

たくさん歩いて感じた花見山を僕色でおさめてきましたので、是非堪能していってもらえたら嬉しいです。

桜のシーズンは福島駅から花見山行きの直通バスが出ていて、それに乗っていくか、タクシーまたは自転車、歩きの場合は約25分掛かります。

観光地としてうまいなぁと思ったのは、一般車が直接花見山に行くことができないこと。
駐車場にはバスだけ入れます。
そうすることで渋滞にもならないし、事故や騒音問題など事前に防ぐことができます。
住宅街にあるので、今後もこの方針だと思います。

僕はバスを選択し、福島の街を眺めながら、花見山に行きました。
到着してバスを降りると、花見山の全貌が僕の前に広がります。

あまりに気持ちよく、マスクを外して深呼吸しました。

「ここが花見山か」

だけど、不安4割の気持ちは当たってしまい、結構霞みがひどい状態です。(後に霞みが酷い状態の写真があります)

「どう撮る?」

と問われるかの様な状況で、撮影開始です。

こんな道を歩いて行きます。

花見山は桜も含め、20種類ぐらいのお花があるので、お花好きな方には堪らないと思います。

春には色々なお花の開花リレーがあり、全てが程良い咲き具合になると、まるで夢の様な桃色の景色が見えます。

2021年は近年稀に見る開花が早く、僕が訪れた時はベストなタイミングでした。

顔の様な、面白い木を発見。

連翹(レンギョウ)のお花からは新芽も出始めていました。

霞みのすごさが全然伝わらない写真ばかりですが、それなりに場所に目を凝らして撮っています。

柔らかい色合いがここにはあって、僕の作風と本当に合います。

肌感覚ですが、土地の空気感と合う場所の撮影は居心地良いです。

花桃というお花みたいですが、このお花の色合いが結構良いアクセントになってくれます。

アップ気味で撮るとこんな感じです。

 

家から見えるこの景色は最高だろうなと思います。

余所者の僕が撮った写真は花見山に住んでいる方からどう見えるんだろう。

剪定され、ここからまた元気に育っていくんだろうな。

役目を無事に終えて土に還るお花もあります。

あっちを向いてはお花があり、こっちを向いてはお花があるので、シャッターを切るリズムが心地良いです。

 

 

 

道なりに進むと、

「あれ?ここは!!」

という景色に遭遇。

2月に撮影した菜の花と河津桜みたいな景色がここにもありました。

【その写真はこちら】

今年の春の集大成はここに繋がっていたんだと思いました。

あの景色も最高だけど、ここも最高に良い!!

 

花桃の木からは新たな生命も出ています。

少し場所を変えるだけで、色々な顔を見せてくれます。

この4つの中から1つを選べとなると悩んじゃいますね。

どれがお好みですか?

 

 

 

あまりにもこの場所が気に入ってしまって前に全然進んでいません。

撮影する時のBGMは色々な鳥の鳴き声だったり、小川の流れる音だったり、ここに流れる時間はゆったりしていてまるで夢の様でした。

それでも道は続いていくので前に進みます。

実はここが山の入り口だったらしい。

入り口手前で大分楽しんでいました。

ここからは山道です。

行かれる方はきちんとした登山靴で行ってくださいね。

木瓜(ボケ)のお花も見頃を迎えて、終わりに近づいています。

白木蓮(ハクモクレン)という胡蝶蘭(コチョウラン)に少し似てて、白くて大きなお花も山の上で満開を迎えています。

こういう色々なお花の集合体があの幻想的な景色となっています。

 

 

 

ハートのデザインとは粋な計らい。

山に登ると、こういう視点から見れるから良いですよね。

そして、実はこんな環境で撮っていました。

もう本当に何も見えない!!

花見山は所々にボランティアの方がいて、色々なことを教えてくれます。

「今日は黄砂の影響でこの状態なんです。中国からなのにこんな所までとはすごいですよね。明日は大丈夫との予想なので、もし明日も来れるならもっと色々見れますよ。」

と教えてくれました。

確かに山を登ってから、「うーん…」って少し悩んでいました。

翌日違う場所に行こうかと元々考えていましたが、掛けてみることにします。
環境が良かったらあそこで撮りたいなという気持ちも強く、またあまりにも居心地が良い空間なのでもっといたいという気持ちにもなっていました。

 

天候が悪くても撮影は止めません。

霞みの柔らかい光を利用して、撮れるものもたくさんあります。

山頂付近には十月桜が咲いていて、柔らかい光に包まれています。

ストレートに真ん中に配置。

明日には咲くかな?

十月桜はソメイヨシノみたいに密度が高いわけではないし、一見華やかな様には見えないけど、向き合ってみると色々な発見があります。

桜のトンネルを歩きます。

確か「おかめ桜」という品種で背丈もそんなに高くなく、色もかわいらしいお花です。

ジブリの世界観に入ったみたいです。

山を降りると、民家の前に着きます。

タイミング良く風が吹いて、鯉のぼりが空を泳いでくれました。

チューリップはまだ半分も咲いていませんが、これが咲く頃はもっと綺麗な景色なんだろうな。

花見山は広く、奥の方にも道が続いていたので歩いてみます。

大体の方は花見山を降りると入り口の方に向かっていて、僕が行く道はすれ違う人が全くいない状態です。

坂道が結構あるので、大分足にも乳酸が溜まっているのが分かります。

でもこんな景色が見れたら進むしかないですよね。

分かる人には分かりますが、山にうさぎの形をした雪景色があります。

黄砂の影響でよーーく探さないと見えません。

是非探してみてください。

 

ここの坂道のルートはおかめ桜が多かったかな。

ぐるっと一周して、そろそろバスの時間も近づいてきたので、バス停を目指します。

 

ここのビニールハウスでは何を作っているんだろう。

普段の生活の中にこんな綺麗な景色があって良いなと思うけど、これだけ綺麗に管理しているから、相当な想いがあるんだろうなと思います。

 

 

結局午前中から夕方まで堪能して、終わり間際は疲れが押し寄せてきたけど、気持ちはやり切った感があったので清々しかったです。

明日は今日撮れなかった所をリベンジすることを誓い、バスに乗って花見山を後にしました。

どれくらい歩いたかiPhoneを見ると約16km歩いてました。
早朝から重い荷物背負いながら結構頑張りましたね。

駅に着くと結構綺麗な夕焼けが見えたので、これはもしかすると明日はすごいことになるかもしれないと第六感が働いた僕でした。

.vol 3 に続く

使用カメラはX-E4

富士フイルム ミラーレスデジタルカメラ X-E4 ボディ シルバー F X-E4-S

関連記事

月 検索

写真集

作品スライドショー

作品スライドショー

作品スライドショー

写真家 石井 和宏 LINE@

友だち追加