こんにちは。写真家の石井和宏です。
やっと桜の記事を書いています。
今年は巻頭カラー5ページに渡って、桜に対する考えを作例とともに執筆したり、1件はコロナの影響で無くなりましたが、それでも多くの方に撮影した桜を届けることができた春でした。
読んでくださった皆様ありがとうございます。

そして、桜の旬な時期も終わりましたね。
皆様は春の桜を愛でることはできましたか?
今年も多くの所で桜祭りが中止になったりして残念な状況でしたけど、励ます様に桜は咲いてくれました。

やっぱり春に咲く桜っていいものです。

綺麗に咲いている花もあれば、

蕾だったり、

役目を終えて土に還る花もあったり、

うまく咲ききれず終わってしまう花もあったり、

どの植物にでもある輪廻ですが、桜はどこか特別なものがあります。

振り返ってみると、今年の桜も忘れられない桜ばかりです。

 

たくさん歩きました。

たくさん撮りました。

たくさん人から親切にしてもらいました。

たくさん色々なことを考えました。

そんな僕の春です。

 

記事はあまりにも数が膨大な為、小分けにして記事を載せていきます。
今、僕の頭の中にはvol.5ぐらい行くんじゃないかと浮かんでいます。
気長に読んでもらえたら嬉しいです!

春の訪れを告げるのは、まだ冬の残り香が漂う、2月に咲く河津桜。

この日の天候は、綺麗な青空と若干の怪しい雲、そして爆風
ゆらゆらゆっくりなびくなら情緒ありますが、木が倒れるんじゃないかというくらいです。

ファーストカットのシャッターは、一年振りの友人と会うかの様にどこかぎこちなく、でも空気感は当時のままの様な感じでした。

最初のカットがうまくいくと、この日の撮影、いや、この春の撮影がうまくいく様な予感がします。

やっぱり河津桜と青空の相性って最高です。

 

菜の花も咲いていたので、一緒に撮るとこんな感じに春色全開になります。

花は大きくはっきりしているので、アップで撮っても綺麗です。

コロナの影響で車が通行止めの所がありました。
例年なら危ないので撮れない場所です。

ミラーに反射した桜が面白かったので、まるでバンザイしているかの様に切り取ります。

反射の世界は柔らかな色彩で桜を写しています。

そして富士山も見える場所なのですが、風が強く、雲が掛かっています。

雲と雲の隙間を予測して、そのタイミングを見つけないと今日は富士山と桜は拝めないかもなぁと予測。

ここを粘れるか粘れないかが大事。

そして、ほんの一瞬雲が無くなると、富士山が顔を出してくれました。

富士山っていつ見てもワクワクしますよね。

でもこれではまだまだ納得しない僕。

富士山はまた雲に掛かって隠れてしまったので、チラチラ様子を見つつ、こういう時はアップされた世界へ入ります。

桜を背景に菜の花を撮るのも気分転換になります。

ピンクの背景がより黄色を際立たせてきれます。

 

 

 

咲いているお花もあれば、役目を終えた花もあります。

こういうのを見ると、「無機質な道路で終えるのではなく、土に還りたいよなぁ」と思うので、拾って土にそっと還してあげます。

そろそろ富士山も良い感じかなと思って反対を見ると、まるで何かの順番を待っているかの様に雲が列をつくっています。

これ逃すと今日は無理だと、勘が働きます。

でもこの景色は景色で良いですよね。
桜が街を見守っているかの様な感じが好きです。

そしてここだ!という場所を見つけたので撮りました。

雲が無いとここまで綺麗に見えます。

もの凄くシンプルで日本画の様な景色です。

また、これも例年なら画面下に余計なものが入りますが、コロナの影響で何も無かったので撮れた写真です。

コロナで色々制限があったりして辛いですが、ある意味ツイてるとポジティブに受け取っておきましょう!

撮れた充実感と寒さの影響か、一気に疲れがドッと押し寄せてきました。

ベンチに座って休もうとしたら、小さな先客がいます。

隙間から菜の花が顔を覗かせているので、横にお邪魔させてもらいました。

段々と陽も西日になってきて、そろそろラストスパートです。

桜と菜の花に囲まれた道を歩きます。

本当、最高な道を歩いてるなぁと思います。

好きな真四角ももちろん撮りました。

こういうさり気ない写真をインテリアとして飾ると、部屋の調和を乱さなくてお勧めです。

そして桜に囲まれた道を歩いていると、最初に撮った菜の花より綺麗な場所を発見。

梅の木も少しだけありました。

 

これって僕が斜めになっているのではなく、これぐらいの斜面のある場所です。

こんな斜面も歩いて探してみます。

咲きにくい所だなぁと思いますが、植物はうまく対応して綺麗に咲いています。

先ほどの富士山が今日の写真かなと思っていましたが、予想を超える空間に出会いました。

思わず、「ここだ!」と言ってしまう程綺麗な場所。

辿り着いた時は本当に諦めずに探して良かったと思いました。

出会えないことも多いですが、こういう発見があるからこそ、僕はひたすら歩くのだと思います。

菜の花咲き具合と桜の降り注ぐ感じが一番綺麗で、思わず見入っちゃう景色とはこのこと。

まるで桃源郷!!

今思うと、「この春の色合いはこうやって撮りなさい」と言われたんだなぁと気づくのは、もう少し後の話ですが。

ここまで撮れてしまうと、足取りは軽くなり、エンジンがまた掛かってきてしまいました。

富士山をまた見ると、予想通り雲で隠れています。
撮れる時に撮っておくって本当に大事だなと思いました。

この日は本当に寒くて寒くて、風は相変わらず爆風状態。
夕方になると更に風は冷たくなり、また一人帰り、また一人帰りと、どんどん帰って行きます。

日の入り時刻を調べると、あと90分ぐらい耐えなくてはいけない様子でどうしようかなと思いましたが、撮っておけば良かったと後悔するほど残念なことはないので、ひたすら寒さと格闘することに。

何も風除けする場所がないこの空間で、コートのフードを被り、ひたすらお地蔵さん状態でベンチに座っていました。
やはりこんな環境では周りは皆帰ってしまって、ただひたすら何かが起きないか一人で信じて待ちました。

綺麗な夕日、もしくはもっと何か起きるのだろうか…

撮れたら撮れたでラッキーで、撮れなくても頑張った自分を認めてあげようと。

 

 

ところで話は変わり、僕が以前出会った空の話をしたいと思います。
場所は羽田空港第二ターミナル展望デッキ上空。
いわゆるANAの飛行機がたくさん見れる場所です。

普通、展望デッキにいると目の前の飛行機を見たり、飛行機の写真を撮っている人がほとんどだと思います。
その日僕はなぜか飛行機とは真逆の方を見ました。
そうすると、綺麗な彩雲が出てる。
その形も大きな鳥、神話の鳳凰の様でした。

急いでカメラを向けてワンカット撮ると、すぐに彩雲は消えて何も無かったかの様な空に戻りました。
周りを見ると、その方向にカメラを向けているのは僕だけ。
そんな綺麗な空と以前出会ったのです。

僕の作品の中でも、この写真を飾りたいと言って購入してくださる方は多いです。
「パワーをもらえる」や「良いことありそう」と言ってもらえることがあります。
確かに彩雲は幸せの予兆と言われています。

僕は基本的に科学的に証明されていないことは信じないタイプなのですが、僕の写真を見て、その方が意味を見出して前向きになってくれたら、それはそれで大変嬉しいことです。

「良いことが起きます様に」と願ってお送りしています。

ですが、世の中科学的に証明できない不思議なことも起こりますよね。

話は戻り、また夕焼けの話へ。

段々と太陽も傾き、雲の動きも良い感じになってきました。

そろそろだなとフードを外して動きます。

 

「ん???」

 

一瞬自分の前で起きている光景に目を疑いました。

以前あの空に出会ってしまったから、そういう風に見えるのかもしれない。

だけど、太陽に照らし出された光景は、まるであの時の空と同じ様に僕の元に羽ばたいてくれています。

富士山も顔を出してくれて、奇跡的な瞬間に出会えました。

まさか見れるとは思ってなかったので、不思議な感情を抱きながら、僕はこの場所を後にしました。

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