昨年のお話。
皆既月食と天王星食が442年振りに同時に起きるということを知り、取り敢えず行ってみることに。
専ら記録写真的なものはあまり撮りたくないので、狙いは飛行機が月の中を通過する写真が狙い。
442年振りのロマンあることには、同じロマンあることで勝負を仕掛けてみた。
黄金色のまんまるお月様で、ここから月食でどう色が変わるのか。
飛行機は風向きからしても通過するには大分厳しい状況。
そして呆気もなく、この勝負には敗れてしまった。
飛行機も通らず、この月に何を感じ、どう撮ろうかな。
都心で星空を撮るには、あまりにも心許ないレンズしか持ち合わせていなかったが、このレンズで星空を撮ったらどうなるのか気になり始めたので、やってみることに。
意外なことに少しは写り、都心でもこれぐらいなら見えるんだなということを知った。
でも流石都心と言わざるおえない、星の見えにくさ。
もう少し引いたらもっと星が写るかなと思い、ポツンと配置してみた。
春に出会った桜っぽい写真が出てきて、「次の春はどんな桜と出会えるのかな」なんてことも考えていた。
ある程度撮ったら写真を撮ることを止め、ベンチに座りボーッと夜空を眺めていた。
本当に綺麗なオレンジ色の月で、「442年前の人もこの月を見ていたのか」なんてと想いを巡らせた。
1580年、本能寺の変が起きる2年前。
どんな時代だったんだろう。
どんなことを思って生きてたんだろう。
次は322年後の2344年。
あまりにも果てしない年月で、どんな世界になっているのか。
もし2344年の人が、「2022年の月食はどんなものだった?」なんて気になったら、この写真を見てほしいななんて思った。